分銅の正しい取扱方法

分銅は、とてもデリケートなものです。
間違った取り扱いをすると、分銅に傷が付いたり、錆びてしまい質量が変わってしまいます。
お手持ちの分銅を、より長くお使いいただくために、分銅の取扱方法を紹介します。

分銅の取り扱いには、次の6つのポイントがあります。
 1)ほこりや異物などのよごれをふき取る!
 2)素手で触れない!
 3)滑らせない、ぶつけない!
 4)磁化の影響を軽減する!
 5)はかりの設置室に十分放置してから使用する!
 6)専用ケースに保管して持ち運ぶ!
それでは、分銅の取扱方法についてのポイントを具体的にご紹介します。

分銅に汚れ・異物・油脂や水分などが着いていないか確認し、付着していれば、シリコンクロスなどでふき取りましょう。
汚れがひどい場合は、アルコールなどの有機溶剤や蒸留水等を使用してふき取り、乾くまで使用しないようにしましょう。
過度な洗浄は、質量を変化させてしまう可能性がある為注意しましょう。
できれば、洗浄前後に分銅の質量を確認しましょう。

分銅を素手で触れると油脂や汗の塩分が付着して、錆び等による質量変化の原因になりますので、分銅には素手で触れないでください。
軽い分銅の場合は、分銅の傷がつかないよう先端に樹脂やゴムカバーのついたピンセットを使用して持つようにしてください。
重い分銅は、手袋を使用して分銅を持つか、またフォークやグリップを使用して持つようにしてください。

計量皿の上で分銅を滑らすと分銅の底面が磨り減る原因になります。
またぶつけると分銅の一部が欠けることがあるので、分銅は滑らしたり、硬いものにぶつけたりしないでください。
計量皿の上に、やわらかい材質の非磁性のスペーサーを置くと分銅の磨り減り対策にもなります。

磁性をおびる可能性のある分銅を使用する場合は、磁化の影響により重量表示が変わることがあります。
対策として、電子はかりの計量皿に非磁性のスペーサを置いて、計量皿から遠ざけ、磁化の影響を軽減します。

非常に高精度な電子はかりの点検・検査に分銅を使用する場合は、電子はかりが設置されている部屋と分銅の保管場所の温度に注意が必要です。
それぞれの温度が異なると、測定の際に対流が生じて数値が変化してしまう場合があるからです。
電子はかりの設置室と分銅の温度が同じになるよう、あらかじめ分銅を電子はかりの設置室に十分な時間(2~8時間)放置してください。

分銅を保管場所から移動させる時は、汚れの付着、分銅どうしがぶつかって傷が付かないように、専用ケースに保管した状態で持ち運んでください。
分銅ケースには、単品ケース、組分銅ケースなど各種ケースが用意されております。


 解説用冊子


【 冊子タイトル 】
 分銅の正しい取扱方法

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両面印刷し、左綴じにすると冊子になります。
用紙サイズは、B5 または A5 がお勧めです。

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